「どうしても数学だけ伸びない」「英語は毎回足を引っ張る」「化学がまったく分からない」
そんな“苦手科目”に、頭を悩ませている高校生・受験生は多いはずです。
でも、ちょっと視点を変えてみましょう。
実は、苦手科目こそ“得点源”に化けやすい分野なんです!得意科目はある程度まで伸びたら頭打ちになりますが、苦手科目は「やればやるだけ」伸びやすく、成績に直結します。
そこで今回は現役東大生ライターの「けんけん」が、「苦手を克服して得点源にする」ためのシンプルだけど効果的な方法を、具体例とともに紹介します!
なぜ苦手科目を放っておくと危険なのか?
「自分は英語が苦手だから、数学と国語で稼ぐしかない」
「物理ができない分、生物で勝負しよう」
こうした戦略を取る受験生は少なくありません。でも実は、苦手科目を放置することには、かなりのリスクがあるんです。
受験においては「トータルの得点」が勝負を決める場面がほとんど。たとえば共通テストでは、満遍なく点が取れる受験生が安定して高得点を出します。一方、どこかに“穴”があると、それが命取りになってしまう可能性も・・・!
仮に次のような3教科型の模試を例にしてみましょう。
- 英語:85点(得意)
- 国語:90点(得意)
- 数学:40点(苦手)
合計215点。たしかに得意科目で高得点を取っていますが、数学の40点が大きく足を引っ張っています。もし数学で60点を取れていたら、それだけで合計235点。つまり、苦手科目の底上げは、想像以上に得点効率が良いということです。
また、大学入試においては“苦手”が「致命傷」になりやすいです。たとえば、国公立大学はすべての科目でバランスよく点を取る必要がありますし、私立大学でも配点が高い科目で失点すると大きなハンデになります。
加えて、得意科目はある程度までいくと“伸びづらくなる”傾向があります。80点から90点にするのは簡単じゃない。でも、苦手科目を40点から60点にするのは、やり方次第でわりとすぐに可能です。つまり、得意科目の10点アップより、苦手科目の20点アップの方がコスパが良いということなんです!
苦手科目は“避けたい存在”ですが、逆に言えば“伸びしろが残っている宝の山”。ここを克服できるかどうかが、合否を分けることだってあります!

苦手克服のカギは「原因の可視化」
では、どうやって苦手を克服するのか?
ここで多くの人がやりがちな失敗は、「とりあえず勉強時間を増やすこと」。確かに、時間をかければある程度は伸びます。でも、ただ長時間勉強しても、根本の原因が解決されていなければ意味がないのです。
たとえば、「英語が苦手」といっても、その原因は人それぞれ違います。
- 単語力が足りない
- 文法があやふや
- 長文を読むスピードが遅い
- 問題を解くときの選択肢の読み方が雑
- ミスをした原因を放置している
これらのどこに自分の苦手の“根”があるのかを突き止めなければ、効率的な対策は打てません。
この問題を解決するために有効なのが、「苦手分析ノート」を作ることです!
苦手分析ノートの使い方
1冊ノートを用意して、「苦手な問題だけを記録」します。
ポイントは、「なぜ間違えたのか?」「何が理解できていなかったのか?」という視点を持つこと。
記録例:
- 問題文:○○高校の過去問・数学I(関数)
- ミス内容:文字式の処理ミス、グラフのイメージができていなかった
- 原因:問題文の条件をきちんと読み取れていなかった
- 対応策:関数問題ではまず図を書く、途中計算は毎回検算する
このように、1問ごとに自分のミスを「振り返って言語化」することで、苦手の本質がだんだん見えてきます。
また、「原因が可視化されている」と、対策もしやすくなります。
- 単語力が原因なら、アプリで集中強化
- 文法が原因なら、1冊だけ文法書を繰り返す
- 時間が原因なら、制限時間を設けて演習する
つまり、「分析→特定→対策」の流れを作ることで、無駄な勉強が減り、効率がグッと上がるわけです。
このプロセスは一見面倒に見えるかもしれませんが、これをやるかどうかで成績の伸び方がまったく変わってくるといっても過言ではありません!
「得意になるまでやらない」から苦手が残る
苦手克服が進まない一番の理由は、次のような心理です。
「理解できるようになってから問題を解こう」
「できるようになるまで手をつけない」
でもこれは逆です。“できない状態”から手をつけるからこそ、成績が伸びるのです!
たとえば、英語の文法が苦手だと思っている人が「文法書を最初から読もう」とすると、途中で挫折してしまいがち。
代わりに、「文法問題を解いて分からなかったところを辞書や解説で調べる」方が、アウトプット主体で理解が深まるのです。
これは数学や理科、社会にも当てはまります。
- 教科書を一周してから問題集に…ではなく、
- 問題集をやって、分からなかったら教科書で調べる
この順番の方が効率が良く、記憶に残りやすいのです。
成功事例:苦手科目から得点源へ
●英語が壊滅だったAくんの場合
高2まで英語が毎回40点台だったAくん。
英単語も覚えられず、英文を読むのも嫌いでした。
しかし、ある日から「1日10分、英単語アプリだけは絶対やる」と決意。
1ヶ月で1000語に触れ、簡単な長文も読めるように。
その後、毎朝10分の長文音読を習慣にして半年。
高3の模試では、なんと英語で偏差値65を超えるまでに!
彼がやったことはシンプル:
- 単語を毎日10分
- 長文を毎朝1つ音読
時間は少ないけれど、やり方を固定して継続した結果、見違えるように得点源になりました!
シンプルな“克服のルール”はこれだ!
苦手を得点源に変えるために意識してほしい「4つのルール」があります。
同じ参考書を繰り返す
苦手科目は特に、「参考書ジプシー」になりがちです。あれこれ浮気せず、1冊を完璧にすることが大切です。
できたところに印をつけない
「解けた問題」にチェックをつける人が多いですが、逆です。「間違えた問題」に印をつけること。そして次回はそこだけをやる。時間と労力の無駄を防げます。
完璧を求めない
最初から「全部理解しよう」と思うと続きません。
「なんとなくわかった」レベルでも進めることが大事。あとから何度も出会えば、自然と深く理解できます。
苦手科目の時間を先に入れる
スケジュールを立てるとき、まず「好きな科目」を入れたくなりますが、苦手克服のためには順番を逆に。苦手科目から先にやることで、逃げグセがつきません。
「成功体験」を意図的に作ると勉強が楽しくなる
苦手科目を克服するうえで、実はとても大切なのがモチベーションの維持です!
どれだけ計画を立てても、「どうせ無理」「やっても伸びない」と思ってしまうと、行動が止まってしまいます。
だからこそ、小さな成功体験を意図的に作ることが、苦手克服の鍵になります。
たとえば、数学が苦手な人なら、「今日は2次関数の問題を3問だけ解く」と目標を決めて取り組み、3問解けたら「自分、やればできるじゃん」と認識する。
英語が苦手な人なら、1日30個の単語を覚える。次の日にテストして25個覚えていたら、それを「小さな成功」として記録する。
このように、小さくていいから“できた”を実感する仕組みを日常に組み込むと、苦手な科目にも前向きに向き合えるようになります。
重要なのは、他人と比べないこと。苦手を克服する過程は、人それぞれペースが違います。
昨日の自分より今日の自分が少し前進していたら、それだけで十分です。
「得点源にする」ためには、まず「嫌いじゃなくなること」が第一歩です!
勉強の中に少しでも「達成感」や「楽しさ」が生まれれば、あとは自然と伸びていきます。



苦手を得点源にした先輩たちの共通点
最後に、苦手科目を克服して合格を勝ち取った先輩たちには、ある共通点があります。
- 少ない時間でも毎日やっていた
- 方法をコロコロ変えなかった
- 「間違えた原因」を記録していた
- できないことを恥ずかしがらず、質問していた
- 途中で諦めずに「前よりマシ」を重ねていた
どれも特別な才能ではありません。少しの工夫と継続が、苦手を“得意”に変えていたのです。
まとめ:苦手はチャンスだ
苦手科目は、たしかにツラいもの。でも、そこにこそ伸びしろがあります。
「1日10分だけでもやる」「分からなかったら解説を読んでみる」
そんなシンプルなことを、今日から始めてみてください。苦手科目は、最初は抵抗があるけれど、やればやるほど“自信の源”に変わっていきます。
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