「この前の模試、偏差値が下がった…」
「E判定ってもうダメってこと?」
「A判定だったけど、油断していいのかな?」
模試の結果に振り回される受験生は多いものです。確かに、偏差値や判定は努力の“通信簿”のような存在。でも、それに一喜一憂している人ほど、受験本番で苦戦する可能性があることをご存じでしょうか?
そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、「模試の偏差値をどう受け止めるべきか」「偏差値との向き合い方で差がつく理由」について掘り下げていきます!受験生本人はもちろん、保護者の方にとっても役立つ視点が満載ですのでぜひご参考ください。
偏差値は「今の自分の位置」であって「未来の結果」ではない
偏差値は相対評価の指標にすぎない
まず大切なのは、偏差値が絶対的な評価ではないということです。偏差値は「その模試を受けた集団の中で、自分がどの位置にいるか」を示す相対的な数字。言い換えれば、母集団が変われば偏差値も変わるのです。
たとえば、全国模試と校内模試では受験者のレベルも志望傾向も違うため、同じ答案でも偏差値が上下することがあります。
つまり、模試の偏差値は“今”の目安にはなっても、“本番の合否”を左右する決定打ではありません。
偏差値は「伸びしろ」のヒントにもなる
偏差値が低かったとき、「自分には無理かもしれない」と落ち込むのは当然の反応。でも実はそれ、改善のヒントがたくさん詰まっているデータでもあるんです。
たとえば、数学の偏差値が低いなら「どの分野を落としているか」「問題を解く順番が適切だったか」など、分析できる材料がたくさんあるはず。それを活かせば、次の模試では確実に成長できます。
合格判定に振り回されると見誤る“本当の勝機”
A判定でも油断すれば不合格になる
「A判定が出たから、もう安心」——こう思ってしまったら危険です。模試の判定はあくまで“過去のデータに基づく確率”。模試本番まで何ヶ月もあるなかで、油断すれば実力はすぐに低下します・・・!
また、A判定といえど、ボーダー付近での判定である場合、ほんの少しの差で不合格になることも珍しくありません。
E判定から逆転合格は現実に起きている
一方で、模試でE判定を取った受験生の中にも、そこから徹底的に対策を練り直して合格を勝ち取った人たちがいます!
模試は本番ではありません。本番に向けて「自分に何が足りないか」を気づかせてくれる“チェックポイント”なのです。E判定は、逆に「課題が明確である」という点で、改善しやすい立場にあるとも言えます。

偏差値ではなく、模試を“材料”として使える人が伸びる
偏差値を評価で終わらせない
受験で成功する人は、模試を“結果”として受け取るのではなく、“分析ツール”として使っています。
模試を受けっぱなしにするのではなく、どの問題で失点したのか、時間配分はどうだったか、問題文の読み間違いはなかったかなど、細かく振り返ることで次に繋がる行動が明確になります。
具体的には以下のような振り返りをするのがおすすめです:
- 間違えた問題をもう一度解き直す
- 自分が何に時間を使いすぎていたかをチェック
- 得点できた問題とできなかった問題を分類する
- 解法を暗記していたか、理解していたかを見極める
「できた」「できなかった」より「なぜそうなったか」
たとえば、「英語の長文問題が苦手だった」と感じたとき、それを放置してしまえば次も同じ失敗を繰り返します。でも、「なぜ苦手だったのか?」と掘り下げていけば、対策は見えてくるはずです!
- 単語力が足りなかったのか?
- 時間配分に無理があったのか?
- 構文が読み取れなかったのか?
自分の弱点を“分析→対策→改善”のサイクルで回していく人ほど、模試ごとに確実にレベルアップしていきます。
偏差値の上下より大事な「学力の地盤」
偏差値の波に一喜一憂しないためには
模試の偏差値は、ある意味で“波”のようなもの。調子が良ければ上がり、少し崩せば下がります。誰だって上がったり下がったりするものなのです。
だからこそ、1回の模試で喜んだり落ち込んだりする必要はありません。むしろ、3回分・5回分と模試を重ねたときに、「全体的にどのくらい上がっているか」「どんな傾向があるか」を見ることが大切です!
伸び悩み期こそ、本当の実力がついている
成績が横ばいのとき、「やっているのに伸びない」と焦る気持ちは分かります。でもその時期こそ、理解が深まり、思考力が鍛えられている“助走”のタイミングです。
すぐに偏差値に反映されなくても、着実に“学力の地盤”が固まっていれば、あるとき一気に成果が出ることもあります。模試で爆発的に点数が伸びる人は、実はこうした時期を地道に乗り越えてきた人たちなのです!
模試に負けない心を育てるには
感情を“結果”ではなく“行動”に向ける
偏差値に振り回されると、モチベーションも不安定になります。だからこそ、模試の結果に対して「嬉しい」「悔しい」といった感情を持つのではなく、「次に何をすればいいか」という行動ベースで考える習慣が必要です。
- 偏差値が下がったら、「なぜ?どう直す?」
- 偏差値が上がったら、「なぜ?どこが良かった?」
感情を“分析の起点”に変えていくことで、模試を成長のエネルギーに変えることができます。
自分のペースで「合格」にフォーカスを戻そう
他人の偏差値、他人の判定、自分より上の人――比べ始めたらキリがありません。でも受験において大切なのは、「自分が合格するために必要な行動を、着実に積み重ねること」です。
模試は、あなたの受験勉強の“中間レポート”。合格をつかむための“途中経過”に過ぎません!



模試の“復習力”こそが、合格力をつくる
模試後に何をするかで、差がつく
模試を終えた後、「お疲れ様」とだけで終わっていませんか?実はこのあとが本番。模試の真価は、受けた“あとの行動”にあります。
できる人ほど模試を“終わり”ではなく“始まり”と捉えています。成績が返ってくる前から、自分で自己採点をして復習を始めている人も少なくありません。
たとえば数学なら、どの問題で計算ミスをしたのか、どこで解法を思いつけなかったのかを分析。英語なら、読解中に時間を使いすぎた部分や文法の穴をチェックする。こういった丁寧な見直しが、次の模試や本番での飛躍につながっていきます!
復習のポイントは「原因分析」と「再チャレンジ」
ただ答えを確認するだけの“表面的な復習”ではなく、「なぜミスをしたか」「なぜ解けなかったか」を明確にする原因分析型の復習が重要です。
- 解法を忘れていた → その場しのぎの暗記になっていた?
- 問題文の読み違え → 焦って設問を丁寧に読めていなかった?
- 単語が分からなかった → 基礎単語の復習が甘かった?
こういった“なぜ?”を突き詰めることで、次回同じミスをしないための具体的な対策が見えてきます。
さらに、その分析が終わったら、「できなかった問題を再度解き直す」こと。手を動かして、もう一度自力で解き切ることが記憶と理解を定着させる鍵になります!
小さな成長の積み重ねが大きな自信になる
模試は一回ごとの点数や偏差値に目がいきがちですが、最も大切なのは「前回よりどこが伸びたか、どこがまだ課題か」を毎回記録していくことです。
点数が1点上がった、苦手な英語長文が少し読めた、数学の大問1が完答できた――そうした小さな変化に気づき、自分で褒められる人は着実に成長していきます。
復習を重ねるたびに「次はこうしよう」という意識が生まれ、それが次回の模試→受験本番に向けた大きな土台となっていきます。
模試の復習こそが、合格への最短ルート。ぜひ、模試当日よりも“翌日以降”を大切にしてみてください。気づけば、模試に振り回されるのではなく、模試を使いこなす受験生になっているはずです!
最後に:数字を超えて、“合格する勉強”をしよう
偏差値や判定は、確かに気になる数字です。でも、それに引っ張られて不安になったり、自信過剰になってしまうのはもったいない。
模試の本当の役割は、「自分を見つめ直す材料になること」。そこに真剣に向き合える人ほど、着実に成長し、最終的には合格を勝ち取ります。
だからこそ、模試の偏差値に一喜一憂するのではなく――
「次に何をすべきか」に目を向けましょう!
あなたの努力は、確実に積み重なっています。偏差値は、その途中経過を確認するものにすぎません。ブレずに、あなたの合格ルートを進んでください。