「第一志望に合格したい!」――その思いは誰もが抱くものですが、実際の受験では“併願校選び”も合否を左右する大切なポイントです。どんなに本命に向けて全力で準備していても、滑り止めやチャレンジ校の選び方を間違えると、思わぬ失敗や後悔につながってしまうことも…!
「併願校ってどうやって決めればいいの?」「どのレベルを受けるべき?」「合格しても行かない学校は受ける意味がある?」そんな受験生や保護者の疑問に応えるべく、この記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、併願校の選び方からスケジュールの立て方、後悔しないためのチェックリストまでを徹底解説します!
併願校を決める前に知っておきたい3つの考え方
第一志望だけでは不十分?併願戦略の重要性
受験において、多くの人が「第一志望に合格すること」を最優先の目標とします。もちろん、その気持ちはとても大切です。しかし、現実の受験では第一志望一本だけでは不十分であり、「併願戦略」をしっかり立てることが合格への鍵となります!
なぜなら、入試には“絶対”がないからです。どれだけ対策をしても、当日の体調、出題傾向、緊張など様々な要素が結果を左右します。特に人気大学や難関校では、数点の差で合否が分かれることもあり、第一志望のみに賭けるのは非常にリスクが高いと言えます。
そこで重要になるのが「併願校の選定」。併願校とは、第一志望以外に受験する大学や学部のことを指し、「すべり止め」「チャレンジ校」「実力相応校」などの目的に応じて複数選ぶのが一般的です。
実は、この併願校選びがとても戦略的で、かつ合否や進路の満足度を大きく左右します。うまく併願を組むことで、以下のようなメリットが得られます:
- 受験慣れができる
- 自信の回復につながる(先に合格を取ると安心)
- 本命で失敗しても進学できる場所がある
- 合格の選択肢が増えるため精神的に安定する
- 本命との比較材料ができる
逆に、併願校を適当に決めたり、受験しなかった場合、「第一志望に落ちて進路が白紙になる」「本命と併願が似すぎて緊張感が続く」「受験料がもったいないだけで終わった」などの失敗も少なくありません。
よって、志望校対策と同じくらい、「併願校をどう選ぶか」にも時間をかけるべきなのです!
安全校・実力校・挑戦校の3段構えが基本
併願校を選ぶ際の基本戦略は、「3つのランクに分けて受験校を組み合わせること」です。つまり、
- 安全校(滑り止め)
- 実力校(本命級)
- 挑戦校(チャレンジ)
という構成です。それぞれの意味と役割を詳しく見ていきましょう!
安全校(滑り止め)
自分の学力よりもやや下、または模試の判定でA〜Bが安定して取れている大学がこれにあたります。
「万が一第一志望に落ちてもここには進学できる」という“安心材料”としての位置づけです!
ただし、滑り止めといっても、「絶対に通いたくない学校」では意味がありません。実際に入学する可能性がある学校を選ぶのが鉄則です。学費や通学のしやすさ、学部の内容などを見て、「ここでもいいかも」と思える学校を選びましょう。
滑り止めは1〜2校用意しておくと、入試本番で心に余裕が生まれます。
実力校(本命級)
ここがいわゆる「第一志望」、もしくは自分の学力レベルに合った大学群になります。模試でC〜B判定程度を出せていれば、現実的に合格を狙える学校としてこのカテゴリに入ります。
実力校を複数持っておくことには、リスク分散という意味もあります!
たとえば、同じレベルの大学でも入試方式や日程が違えば、自分に合った方で合格できる可能性が高まります。過去問の相性や問題形式(記述・マークなど)を確認し、自分が得意なパターンの大学を選ぶのもポイントです。
挑戦校(チャレンジ)
自分の現在の学力よりも少し上に位置する大学を「挑戦校」とします。模試の判定でD〜Eが出ている学校でも、半年〜数ヶ月の努力で逆転合格できるケースもあります。
この挑戦校を1〜2校入れておくことで、モチベーションの維持や「届かないかもしれないけれど挑みたい!」というチャレンジ精神が高まります。
また、「ここに合格できたら最高だ」と思えるような志望校を一つでも受けておくと、合格したときの満足感も大きく、納得感のある進路選びができます。
この3段構えで併願校を設計すると、どんな結果になっても受験後に「やりきった」「ベストを尽くした」と思える可能性が高まります。
重要なのは、「どこに受かっても、最終的に納得できる選択肢があること」。この考え方をベースに、無理のない併願計画を立てていくことが合格への近道です!

併願校選びで見落としがちな注意点とは?
合格しても「通わない学校」は受けるべきか?
併願校を選ぶ際、「どうせ行かないと思うから受けなくていいかな…」と判断してしまう人は少なくありません。しかし、ここに大きな落とし穴があります!
受験は最後の最後まで何が起こるかわからない“勝負の世界”です。第一志望校に落ちてしまったとき、「合格している大学が1つでもある」という事実は、精神的にも現実的にも大きな支えになります。
「結局進学しなかったけど、あの大学を受けておいて本当によかった…」という声は、毎年必ず聞かれます。一方で、「受けておけばよかった」「もっと調べておくべきだった」と後悔する受験生も多いのが実情です。
もちろん、無意味に受験校を増やして出願料や交通費を浪費するのは避けるべきです。しかし、“行かないと決めつけていた大学”が、実は入試直前になって「行ってもいいかも」と思えるケースはよくあります。学費、キャンパス、学部内容などをもう一度見直してみると、「悪くないな」と感じることも。
ですから、併願校の選定では「現時点での自分の気持ち」だけでなく、「未来の自分が選びうる可能性」まで見据えることが重要です!
試験日・入学手続きのスケジュールに注意!
併願戦略を立てるうえで意外と見落とされやすいのが、試験日や入学手続きの日程の重複です。
たとえば、以下のような事態が起こりえます。
- 第1志望と併願校の試験日がまるかぶりしていた
- 合格発表から手続き期限までが極端に短く、悩んでいるうちに締切が来た
- 滑り止め校の入学金を払ったあとに、本命の合格通知が届いた
このようなミスを防ぐためには、受験スケジュールを早期に把握して、カレンダー化しておくことが必須です。志望校ごとの「出願開始日」「試験日」「合格発表日」「入学金支払い期限」「入学手続き完了日」などを一覧にし、全体像を見える化しておきましょう。
また、入学金は原則返還されないため、複数校に合格した際には「どこに入学金を払うか」で大きく悩むことになります。その判断材料を事前に用意しておく(例:費用、立地、学部内容、雰囲気など)ことで、入試後の混乱も減らせます。
模試の判定と現実の合否はイコールじゃない
併願校を選ぶ際に、多くの受験生が頼りにするのが「模試の判定」です。しかし、ここには注意が必要です。模試での判定はあくまで「その時点での学力をもとにした、統計的な可能性」であり、受験本番の合否を保証するものではありません。
たとえば、判定がDやEでも合格した例はいくらでもあります。逆に、A判定でも当日トラブルで失敗したという人もいます。
つまり、模試の結果に一喜一憂せず、「自分が本気で行きたいかどうか」「出題傾向との相性はどうか」「あとどれくらい伸ばせそうか」という観点で、冷静に併願校を考えることが大切です。
特に私立大学では大学ごとに出題傾向や配点が大きく異なるため、模試の判定と実際の合否は一致しないことも多々あります。赤本や過去問を見て「これは自分向きだな」と感じる大学は、模試判定が厳しくても受ける価値があります!



まとめ:併願校選びも“本気”で考えるべき戦略の一部
受験生にとって、併願校の選び方は単なる「保険」ではありません。むしろ、受験戦略そのものの柱とも言える要素です!
- 第一志望へのチャレンジを最大限成功させるため
- 万が一のときの進学先を確保しておくため
- 精神的な余裕を持って受験に臨むため
この3つの観点から、「どの大学を、どんな順番で、どのように受けるか」はしっかり計画しておく必要があります。
最終的には、「どこに進学しても後悔しない選択肢を持っていた」ことが、受験を乗り越えるうえでの大きな支えとなります。
模試の結果だけにとらわれず、自分の希望・性格・勉強スタイルに合った大学を選び、悔いのない併願戦略を組んでいきましょう!
また、併願校選びは情報戦でもあります。「どこの大学が自分に合っているのか」「試験日が被っていないか」「今の成績で狙えるのか」など、ひとりで判断するのは難しい問題が山積みです!
【東大寺子屋】では、東京大学の現役・卒業生講師が、受験全体を見渡した併願戦略づくりを徹底的にサポートします。
- 最新の受験情報をもとにした出願プランの提案
- 模試データだけに頼らない“逆転合格”の戦略立案
- 試験日・合格発表・入学手続きまでを含めたタイムマネジメント
- 第一志望対策と併願対策を両立させたスケジューリング
単なる進学相談や情報提供にとどまらず、「その人の人生設計に寄り添った併願戦略」を一緒に考えるのが東大寺子屋の強みです。
受験戦略にお困りの方は、ぜひご相談してみてください!